それを20年以上やってきてるから、
そろそろ2000名くらい取材してきたことになります。
…。
千里の道も、一歩から…。
ライターの久保田です。
ある企業の、社長さんを取材したときのことです。
そんなに大規模でも有名でもないけれど、
誰でも知ってる大手企業にとって
「なくてはならない」、
さらに「一目置かれている」B to Bの産業ロボットメーカー。
とってもウエルカムで、
とっても取材は楽しかったんですが、
終わった瞬間、社長が満面の笑顔で言った言葉にびっくり。
「あ、終わり? これでもう、大丈夫?」
「はい、十分にお聞きしました。ありがとうございます」
「ああーーー、今日は、ひっさしぶりに、すっごいアタマつこたあ」
もう居合わせた取材関係者も社員さんも、
「あっはっはっは」と、もらい笑い。
「社長、またまた、そんな。毎日アタマつこてはるやないですか」
「いっやー、こんなに考えてしゃべったの、久しぶりや」
天真爛漫に笑いながら、社長。
でも、実はこれってすっごく素直に表現してもらっただけで、
珍しくないことなんです。
自分が言いたくて開ける引き出しと、
尋ねられて開ける引き出しって、
どうも、ちょっと違うみたいなんですね。
だから
「あの社長が、取材だとこんなにしゃべった」なんて、
驚かれるケースも結構あります。
社員に尋ねられても開かない引き出しが、
何も知らない私だと、開くことも多々あります。
ぜんぶ、いつもやってる仕事のことばかり。
ぜんぶ、いつも頭の中をめぐっている志ばかり。
なのに、人に尋ねられると、
「わかってもらわなくっちゃ」と、あれこれ表現に工夫したりして。
それで、
「すっごいアタマつこたあ」になるんでしょうね、きっと。
私は私で、
そんだけアタマ使ってお話をしてもらって、
インタビュアー冥利につきます。
こういうふうに終わると、
「社長が、言いたいこと言いつくしてるってことは
きっと、いい原稿に仕上がるよね」って、
居合わせたみんなが思えて、とってもしあわせ。
まー、こっれでいい原稿が仕上がらなかったら
どないしようと思うと
プレッシャーも大きいんですけども…。