2015年11月17日火曜日

原稿に大切なこと

こんにちは、ライターの山森です。

前回、取材で大切にしていることをテーマに記事を書きました。
今回は、原稿について。
取材後、ライターはどのように原稿を書いているのでしょうか?

原稿の書き方は、ライターによって千差万別。
記事の組み立て方、進め方は、もしかすると取材以上に人それぞれかもしれません。

あるライターさんは取材前から緻密にストーリーを組み立てるそうです。
私は出たとこ勝負、と言うと良くないかもしれませんが、準備はしたうえで、
取材で出てきたものを活かしたいほうです。

原稿で大切にしているのは、自分のキャラクターを出さないということ。
前の記事で、取材対象者が書いたかのような原稿が理想と書きました。
そこに、私の個性はいりません。
名前を出した連載記事など特殊なケースを除き、
ライターは常に黒子気分でいるのが良い気がします。

また新人のころ、よく注意されたのは「きれいにまとめすぎる」こと。
「その表現だと、誰にでも言えるよね」と言われた時、ハッとしました。

たとえば「楽しい」「おいしい」などの便利な言葉、
よく使ってしまいがちな言い回しはたくさんあります。
でも取材を振り返って、取材対象者が言っていたことが本当に「楽しい」でいいのか、
立ち止まって気付けるかどうかが、まずは大事かもしれません。

一方で、奇をてらった表現で読みやすさが損なわれるのもまた、良い原稿とはいえません。

媒体の趣旨に沿って、取材対象者を表していて、読みやすく、ほかに埋没しない。
私の尊敬するライターは皆、一字一句狂いのない絶妙なバランスで原稿を書き上げています。

書けば書くほど洗練されていくのに、書いても書いても廃れない。
プロフェッショナルの高みを目指して、今日も原稿と向き合っています。

ご覧いただき、ありがとうございました。